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2009年12月03日(木) - 12月12日(土) 11:00_19:00 日曜・祝日休廊 最終日は17:30まで営業
田口健太・藤永覚耶 kenta TAGUCHI / kakuya FUJINAGA






藤永覚耶
1983年 滋賀生まれ
2006年 京都嵯峨芸術大学 芸術学部造形学科版画分野 卒業
2008年 愛知県立芸術大学大学院 美術研究科油画専攻 修了



僕はまず、モチーフを写真に撮るところから制作がはじまります。
写真に還元されたモチーフは対象が平等な横の広がりに立ち返っていくような感覚をもたらしてくれる。
それは色やかたちという平面的な要素に置き換わるという意味だけでなく、束縛された価値観から解放されるという意味で、です。
僕という人間がからむ日常の中での私的な価値観の世界と、そこから放たれ、物質的にも精神的にも価値観がフラットになった、還元されたかのような世界との“中間”。そのような、双方の狭間、“中間”で揺れ動くイメージを、写真になったモチーフを元に布地にアルコール染料インクで点を重ね、それらを溶かすという手法を用いて表現につなげています。  
僕にとっての点は等価な横の広がりの象徴であり、ひとつの最小単位です。
近作では、葉の集合体としての森や植物の写真をモチーフに作品を制作しています。




「foliage #7」
ドローイング・アルコール染料インク・布・パネル 727×606 mm





田口健太
1980年 長崎県生まれ
2007年 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻 卒業
2009年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科美術専攻油画・版画領域卒業


一見モノクロ写真に見える私の作品は、コンテによって描かれたイメージを印画紙に転写し制作しています。
画面にあるのは現実の風景だはなく私のイメージ、もしくは現実の風景を模したイメージです。
絵画はどんなに精密に描かれていようとキャンバスに絵筆が置かれた瞬間から、絵の具やまたは鉛筆のマテリアルによって絵画としての非現実性を払拭することはできません。
また写真はドラマチックに仕上げられていても写真機の向こう側にある現実を覆す事はできません。
私は絵画がイリュージョンであり、写真がドキュメンタリーであるという事実を疑いたくなったのです。
嘘が、さも現実であるかのごとく存在する、そんな現実と非現実の境界線が曖昧になった世界をつくりだすことで改めて現実とは何かを問いかけていきたいと思います。


田口健太HPはこちら


左:「ケモノ#4」 右:「ケモノ#3」
(2点とも) ゼラチンシルバープリント 240×430mm